天・地・人を一体とする総体観
: 中医学は、天文・地理・人事(人々のいろいろな出来事)を一つの有機的な総体であると考えます。人類は自然界の中に存在しており、また人類社会の中で生活しています。人には自然界の中での属性があり、また社会における属性もあります。人と自然や社会との関係から、生命、健康、疾病などの問題を認識し、自然、社会、心理的要素の作用を重視して、人(生物、心理)-社会-自然という総体的な医学モデルを形成しました。天文・地理・人事を知って初めて医療を行えるとする考え方です。これは中国伝統文化における統一観を体現しています。
人を基本とする医療道徳観
:中国の伝統文化における人文精神は人を基本とし、人をこの世で最も尊いものであると考えます。人の命と健康を守ることが医者の職責であると強調しています。名誉や利益のためでなく、純粋に人の命を助けることを至上として、思いやりを持って患者と接し、医療に責任を負うということを医者が備えるべき品格の基準とします。
これは中国伝統文化における人倫調和という価値観を体現しています。
陰平陽秘という恒動観 :天地万物は気から成り立っており、人の生死も気に由来します。運動は気の根本的な属性で、陰陽の対立・統一は気が運動する根本的な原因です。人体は絶えず成長及び升降出入という形気転化運動をしている有機体です。陰陽が調和してバランスがとれており、運動に規則性がある状態は健康を意味しています。気の運動が生命の全過程に影響しているため、運動の変化という観点から健康・疾病を認識し、予防・治療を導いて寿命を全うさせようとします。これは中国伝統文化における動静平衡観を体現しています。
「未病を治す」という予防・治療観
:中医学はすでに病にかかってしまってから治療するのではなく、「未病」すなわち病になる前の段階で治療すべきであるという、予防を主体とした医学思想を主張しています。養生をして自然と調和した生活を送るこで、年齢に見合わない老化を防ぎ、寿命を全うすることができます。これは中国伝統文化における災いを大きくならない内に防ぐという意識を体現しています。 |