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中医学とは
 
中医学とは
 
 中医学とは「中医薬学」の略称で、中国伝統医学(Traditional Chinese Medicene)を指しており、西洋医学(中国語でいう「西医薬学」の略称である西医学)に対する名称です。二千年以上も前から伝えられており、豊富な臨床経験や中国伝統文化を基にした医学体系、非常にユニークな考え方にあふれ、薬だけでなく、鍼、灸などの独特な治療法を持つ医学であると言えます。
 
中医学の理論体系
 
 中医学とは、人体の生理、病理、疾病の診断、治療とその養生、健康の回復に関する、独特な理論体系を持った伝統医学という科学で、中国伝統文化を豊富に含んでおり、その背景や特徴を反映しています。

 科学的な理論体系とは、基本概念、基本原理、具体的な科学法則の三要素からなる体系をいいます。中医学の理論体系は、中医学の基本概念、基本知識、基本原理からなる、中医学の論理体系によって構築されている理論体系で、古代中国の気-陰陽-五行という思考モデルを方法論とし、総体観念を指導的思想としています。また、臓腑経絡の生理と病理を核心とし、弁証論治を診療特徴としている医学理論体系です。

 
中国の伝統文化と中医学
 
1.中国伝統文化の特徴
 

 悠久の歴史の中で育まれてきた中国の伝統文化には、思想、道徳、風俗、芸術、制度、行動形式などが含まれますが、その核心は「中和」であると考えられます。「中和」精神が現れているのは、人と自然の関係においては「天人合一」を強調し、人と社会の関係においては「人倫調和」を強調している点にあります。

 一般的には総体性、人文性、伝承性が中国伝統文化の基本的な特徴であると考えられています。

  • 総体性 : この宇宙を自然界と人が調和している総体ととらえ、人-社会-自然が有機的な総体であり、全体から世界を認識して事物を把握し、事物の間における関係と発展を重視する考え方。
  • 人文性 : 人の倫理道徳を特に重視し、哲学、宗教、文学、芸術などの文化の中で中心的役割を果たします。道徳の特徴として「修身」があり、修養や学習を通して理想を持った、立派な人になることを主張します。
  • 伝承性 : 伝統文化の発展には、伝統の継承が欠かせず、「道統」(儒学伝道の系統)や「師承」(師から受け伝える)を重んじ、先秦時代の典籍を経典として尊重しています。

 中医学は中国伝統文化の重要な組成部分であり、中国伝統文化の基本精神と基本的特徴が浸透しています。

 
2.中医学の文化的特徴
 

 天・地・人を一体とする総体観 : 中医学は、天文・地理・人事(人々のいろいろな出来事)を一つの有機的な総体であると考えます。人類は自然界の中に存在しており、また人類社会の中で生活しています。人には自然界の中での属性があり、また社会における属性もあります。人と自然や社会との関係から、生命、健康、疾病などの問題を認識し、自然、社会、心理的要素の作用を重視して、人(生物、心理)-社会-自然という総体的な医学モデルを形成しました。天文・地理・人事を知って初めて医療を行えるとする考え方です。これは中国伝統文化における統一観を体現しています。

 人を基本とする医療道徳観 :中国の伝統文化における人文精神は人を基本とし、人をこの世で最も尊いものであると考えます。人の命と健康を守ることが医者の職責であると強調しています。名誉や利益のためでなく、純粋に人の命を助けることを至上として、思いやりを持って患者と接し、医療に責任を負うということを医者が備えるべき品格の基準とします。 これは中国伝統文化における人倫調和という価値観を体現しています。

 陰平陽秘という恒動観 :天地万物は気から成り立っており、人の生死も気に由来します。運動は気の根本的な属性で、陰陽の対立・統一は気が運動する根本的な原因です。人体は絶えず成長及び升降出入という形気転化運動をしている有機体です。陰陽が調和してバランスがとれており、運動に規則性がある状態は健康を意味しています。気の運動が生命の全過程に影響しているため、運動の変化という観点から健康・疾病を認識し、予防・治療を導いて寿命を全うさせようとします。これは中国伝統文化における動静平衡観を体現しています。

 「未病を治す」という予防・治療観 :中医学はすでに病にかかってしまってから治療するのではなく、「未病」すなわち病になる前の段階で治療すべきであるという、予防を主体とした医学思想を主張しています。養生をして自然と調和した生活を送るこで、年齢に見合わない老化を防ぎ、寿命を全うすることができます。これは中国伝統文化における災いを大きくならない内に防ぐという意識を体現しています。

 
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